Panambi Vera

作詞:Manuel Ortiz Guerrero
作曲:
José Asunción Flores

 日本でもアルパを弾いている方ならご存知の“Panambi Vera(輝く蝶)”。この曲にもある隠されたエピソードがありました。
さすがに偉大な作詞家,哲学的な思想をも駆使して自らの作品に磨きを掛けていったようです。凡人の私には思考の範囲外です。

無限への飛翔

 ある日の午後Manuel Ortiz Guerreroは友人でもある偉大な作曲家José Asunción Floresにこうつぶやきました。
「私が死んだら蝶の羽の下に埋葬して欲しい」

Manuel Ortiz Guerrero,1897年6月17日Villarricaに生まれ1933年5月8日Asunció
nでその生涯を終える。

Ortiz GuerreroがFloresにそんな事をつぶやいた時,彼はハンセン病に侵されており,既に“死の黒い鳥”が彼の周りを舞っていた。

 ある夏の晩,二人は夕暮れ時から夜中まで色々な事について夢中で語り合った。
そして満月は二人だけが胸に秘める約束をその光に浮かび上がらせていた。
 
Floresは友人に別れを告げると,家路につきながらOrtiz Guerreroのつぶやきについて考えていた。
友人のつぶやきに共感するものがあった。
「私が死んだら蝶の羽の下に埋葬して欲しい」

「疲れを知らず翔ぶ蝶の下で永遠の安らぎを与えてくれるような詩はないだろうか?

パラグアイ川の岸辺にある自宅に着くまでの間,あるグァラニーのメロディーが彼の脳裏を占領し,夜更けの静寂の中でそのメロディーを口ずさんでいた。
「明日はこの曲を彼に捧げよう」,そんな思いでその晩は床に着いた。

 夜が開けて
José Asunciónはその日友人であるAniceto Vera Ibarrolaとの大切な約束があった事に気付いた。警察の音楽隊とのリハーサルである。そのような約束事や日常の雑事が彼の脳裏に存在した大切な音符までを覆い隠すようになった。

 その頃パラグアイはボリビアとの避けがたい戦争の予感に包まれ沸き立っていた。1929年の事である。
パラグアイ政府が平静を呼びかけるのとは裏腹に,国民は自国の中尉の死に対して復習の構えを強めていった。
Floresも他の国民同様,いつでも自らの楽器を銃器に持ち替える覚悟を持っていた。

 強烈な日差しが容赦なくアスンシオンの街に照りつけるある夏の午後,
José Asunciónは床に敷いたムシロの上で蝶の小さな群れを見つけた.。友人にメロディーの借りがあったことに気付いたFloresは慌てて飛び起きた。

 永遠の眠りを見守るテンポのあった羽ばたきを繰り返す蝶のダンス,詩人は完全にそれを掌中に収めた。
Panambi Veraのメロディーは彼らの友情を示すのに最高の方法であった。

 作品の最後のパートを書き上げると
FloresOrtiz Guerreroの家への石段を急いだ。
「今日は何を急いでるんだい?」
Ortiz Guerrero
Panambi Veraを持ってきたんだ」そしてFloresはそのメロディーを口ずさんだ。

 Floresが別れを告げ彼の家を出て行くとすぐにOrtiz Guerreroは自分の部屋に引きこもった。Panambi Veraの詩を書くためである。
彼は考えた。自らの永遠の眠りを見守ってくれる数々の蝶,しかしそこで“生”についても考えていた。
いつも人間は“生”を追い求める。しかし“生”を完全にその手に収めることはできない。
蝶についての想像であったが実は人間の“生”または“愛”についての想像であったのかもしれない。
完全に自らのものにならないから人はその生涯を掛けて追い続けるのかもしれない・・・・・・・

Panambi Vera

Panambi che raperáme
resêva rejeroky
nde pepo kuarahy'âme
tamora'e añeñoty.

Nde réra oikóva ku eíra saitéicha che ahy'okuápe
ha omohe'êva chéve amboy'úvo che resay.
Ku ñuatindy rupi, ñu, ka'aguýre ñemuñahápe
iku'ipáva che anga che pópe huguy syry.

Reguejy haguâ che pópe
aikóva anga romuña
ha torýpe torypápe
che áripi rehasa.

Panambi: ndeichagua Tupâ rymba pipoku oime iporâva,
resê yvytúndie yvotytýre nde saraki.
Remimbivérô ko che resápe remimbipáva
tove mba'éna nde rapykuéri tañehundi.


Panambi Vera(輝く蝶)

踊るように僕の前に現われた蝶
その羽を日陰に休める
僕はその下で眠りにつきたい

君は甘い蜜に変えた僕の涙を
喉に滴らせてくれる
イバラの森,野原を追いかける
僕の胸や手は血を流す

僕の手を離れた君を追って
どこまでも歩き続ける
無上の幸福を感じながら

蝶,花の間を飛び回る蝶
神はこれ以上に美しいものを創ったのだろうか?
その羽が輝きを増すとき
僕の瞳を照らし出す
どこまでも君を追い求める

何を失おうとかまわない

*Panambi Veraが収録されているCD
-Arpa: Nicolás caballero
-En solo de Arpa: Lorenzo Leguizamón
-Clásicos del Folklóre Paraguayo: Raquel Rebrón


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